【AIにお願いすれば、思いどおり? 】建築CGの制作現場で試してみたこと

「AIにお願いすれば、すぐにできるかも!」
そんな期待を持って試してみたものの、思いどおりにはいかず……。
実際に仕事で使ってみると、便利さを感じる一方で、頭を悩ませる場面もあります。
こんにちは、阿藤です。
先日、XR部で技術共有会を行いました!
XR部では、日々の制作やサービス向上につなげるため、定期的に技術共有会を設けています。
各自が担当案件で工夫した点や難しかった点などを持ち寄り、制作のヒントを共有する時間です。
今回のテーマは「AI時代の建築CG制作とXR部のこれから」。
今回はAIにテーマを絞り、実際の案件で試した活用方法や、うまくいったこと、いかなかったことを共有しました。
モデル制作や画像制作、イメージづくりなど、使い方はさまざま。
便利なところだけでなく、「ここはまだ今一つ…」という率直な話も聞けたのが、今回の共有会の面白いところでした。

●モデル制作、どこまで任せられる?
活用事例の一つが、AIによる家具の3Dモデル制作です。
今回共有された事例では、シンプルな形状は比較的生成しやすい一方、曲線が多いものや複雑な形状になると、そのまま実案件で使うには難しい部分がありました。

一見それらしくできていても、求める形状になっているかを確認し、人の手で修正する工程はまだ必要です。
「モデルができた!」で終わりではなく、制作に使える状態かを見極め、整えるところまで含めて、AIの活用なのだと感じました。
●AIに伝わる「お願いの仕方」を考える
同じものを作ろうとしても、指示の出し方によって、生成されるモデルに違いが出るという声も多くありました。
説明したはずなのに、思った形にならない。
そんなときは、何をどう伝えるかを、こちらも考える必要があります。
AIとは言え、意図をすべてくみ取ってくれるわけでは、残念ながらありません。
参考画像や寸法を添えながら、形状や再現してほしい部分を具体的に伝え、出てきた結果を見て、足りなかった説明を補っていく。
試行錯誤を重ねながら、AIの得意・不得意や、伝わりやすい指示の出し方を模索していく必要があると感じました。
(これは対人コミュニケーションにも共通することだと思いました。普段自分が出している指示や説明も、相手にとってわかりやすいものになってるのか……。AIについて学んでたはずが、自分の伝え方についても考えさせられました。。!)
●アイデア出しでは、意外な話も
個人的に面白いと思ったのが、コンペへの応募を考えているスタッフの話です。
AIがどこまでアイデアを考えられるのか試してみたくて、相談してみたそうです。
しかし、自分では思いつかないような斬新な案を期待していたものの、返ってきたのは比較的よくある提案が多かったそう。

この話が気になり、共有会の後、私もAIに「どうやってアイデアを考えているのか」聞いてみました。

返答の中で印象に残ったのが、「体験や感情に基づく好みは持っていない」という回答。
この回答を読み、人がものをつくるときは、各自の経験や好みが、思っている以上に関わっているのかもしれないと感じました。
自分が見て心に残った風景や、実際に過ごして心地よかった空間。
そうした経験から生まれる思いやこだわりが、作品にその人らしさを与えるのだと思います。
もちろん、AIへの問いかけ方によって、出てくるアイデアも変わると思います。
それでも、提案されたものを見て「もっとこうしたら面白いかも」と考えたり、自分の経験から別の視点を加えたりすることは、私たち人間ができることだと思います。
何を面白いと感じ、どの案を選び、どう発展させるか。そこに、つくる人の経験や好み、考え方が表れるのだと思います。
●セミナーで体験したD5 Renderを、その後使ってみて
前回のブログでご紹介したD5 Renderについても、実際に試したAI機能や、制作に取り入れるうえで気になった点を共有しました。

セミナーでは「こんなことができるんだ!」という驚きがありましたが、その後使ってみると、便利なところと、もう少し調整したいところが見えてきます。
まずは、建築写真からテクスチャを生成する機能です。
試したところ、色味や模様は比較的イメージに近いものができ、素材づくりの手間を減らせそうだと感じました。
一方で、タイルの目地の間隔や、モデルに貼ったときの割り付けなど、寸法の正確さには課題が残りました。

雰囲気が合っていても、指定されたタイルの大きさや目地に合っているかは、別の確認が必要です。
生成した素材を実際の仕様に合わせて調整するところは、制作者の仕事になります。
また、画像をAIで高精細化し、最大4Kまで解像度を上げる機能も紹介しました。
素材を整える選択肢が増えるのは助かりますが、細部の模様が意図どおりになっているかまで確認して使いたいところです。
D5 Renderには、素材づくりのほかにも、シーンの雰囲気や画像の仕上がりを調整するAI機能があります。
今回共有したのは、主に次の三つです。
・AI Atmosphere Match:参考画像を読み込み、空や天候、ライティング、色調などを、その画像の雰囲気に近づける機能です。目指すイメージに向けて、光や空気感を調整する際に役立ちます。
・AI Enhancer:レンダリングした画像の植栽や人物、車、マテリアル、照明などの質感を高める機能です。画像全体だけでなく、部分を指定して調整することもできます。
・AI Style Transfer:パースを水彩画やスケッチ、模型風などの表現に変える機能です。昼夜や季節の雰囲気を変える、リアルな表現のスタイルも紹介しました。
短時間でさまざまな表現を試せると、仕上がりを見比べながら検討しやすくなります。
ただ、雰囲気がよくなったからといって完成ではなく、建物や素材の見え方が意図から外れていないか、伝えたい空間になっているかを確認し、必要な部分を調整することが大切です。
AIで調整できることが増えるほど、仕上がりを判断する目も大切になる。
実際に使って感じたことを踏まえながら、どの工程に取り入れられるか、引き続き検討していきたいと思います。
●自分たちの意図を持って、AIを使うために
今回の共有会を通じて感じたのは、AIを使いこなすには、使う側にも工夫や判断が必要だということです。
AIによって素早く制作や調整は可能ですが、果たしてそれでOK、なのでしょうか?
出てきた結果が目的に合っているかを確かめ、必要に応じて手を加える。
便利な機能に触れる機会が増えた今、AIに振り回されず、自分たちの意図を持って使う側でありたいと、改めて感じました。

一人で試していると、うまくいかないまま止まってしまうこともあります。
でも、部署で共有すると、各スタッフの試し方やつまずいた点も、次のヒントになります。
次は指示の出し方を少し変えたら、どうなるだろう?
そんなことも試しながら、また次回の共有会で話せる発見を増やしていきたいと思いました。
このブログを読んでくださっているみなさまはAIをどう活用し、どんなことを抱いてるのか。
みなさまの活用法も、とても気になります!。。👀
最後までお読みいただき、ありがとうございました!



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