こんにちは、阿藤です!
先日、株式会社Too様が主催されました【Mir来日!Kviz特別セミナー「建築ビジュアライゼーションの未来」】に参加いたしました!
建築、CG業界ではその名を知らないものはいない、世界的に有名なヴィジュアライゼーションスタジオMir。
今回、Mirの創業パートナーであるTrond Greve Andersen氏が来日され、
誰もが気になるMir様のクリエイティブワークや哲学について語られました。
今回はそちらの様子を一部お届けいたします✨
★Mir.来日!Kviz特別セミナー「建築ビジュアライゼーションの未来」
Mirの共同創業者の一人、Trond氏が来日講演されるのは日本初だそうです!
今回開催に至った経緯をお伺いすると、建築やCG業界で働く皆様がMirの話を聞きたいとの要望があることを株式会社Too様が知り、直接Mirにご連絡をされたとのこと。
2019年、Mirが一般公開されているメールアドレスにお問い合わせをしたところ、1週間後にTrond氏ご本人様から直接ご返信をいただいたそうです!
その後コロナ渦に入り、講演が難しくなってしまいましたが、2022年に2回目のトライでご連絡。
当時は講演の主流が対面からウェビナーへ移行されていましたが、Trond氏より「直接みなさんの前でお話したい」とおっしゃっていただいたそうで、今年の9月に3度目のトライ。
タイミングよく日本に行ける機会があるとのことで、数年の思いが実りまして、今回の講演が開催されたそうです!
今回の特別講演の内容は
・制作イメージの哲学&どのように制作するか
・仕事のやり方について
こちらをお話いただきました。
恐縮ながらTrond氏のお話をメモを取りながらお聞きしましたので、そちらをもとに内容の一部をお伝えさせていただきます。
(お写真は講演の都合上撮影することができかねたため、株式会社Too様のFacebookなどをご覧ください。)
・制作イメージの哲学&どのように制作するか
Trond氏はMats Andersen氏と20代の時に理想のレンダリング会社を作ろうと決めてから
現在に至るまで素晴らしいイメージを作り続けており、
環境の理解はMirを理解するうえでとても大切と話されています。
「世界を理解するためのツールとして絵を描いている。
自己表現は私の中を流れる川。
難しいけど可能なこと。
ノルウェー的な視点を表に出したい。」
そして、イメージをつくるのは瞑想のようなものだと語られています。
「自分たちの内なる声を耳にしてほしい、とスタッフに思っている。
自分が好きなものを気に入ってくれる人は少ない。
最高な仕事は好き嫌いが分かれるもの。」
また、見せ方についてもこんなお話が。
「全てを見せない。一部だけを見せて、関心を持たせる。
あまりに多くのものを見せたがるけど、それは建築ビジュアライゼーションにおいて間違い。
見てる人に、もっともっとと思わせることが大事。」
・仕事のやり方について
Mirには哲学があるそうです。それは、
「自分のハートでものを見る」こと。
「私たちは複雑に物事を見てしまいがち。
私には10歳の娘がいるが、私よりも、ものを見る視点が優れている。
それは彼女が感じることができるから。」
「目と脳が繋がっているのではなく、目とハートが繋がっている感覚。
自分の目とハートを使う。いいイメージはハートで見る。」
いいイメージとは何か?
「イメージとは人々に興味を持たせてくれる。もっと見たいと思わせる。
そこに熱意が生まれる。
そして、記憶に残るものとは、他と異なるもの。
物理的に正しいライティング、シンプルな設定で作り上げ、別の空間にいるような感覚を作ること。」
・
・
・
今回Trond氏のお話を聞き、建築パースと建築ビジュアライゼーションの違いについて考えさせられました。
建築パースでは建築物をメインに見せ、説明的な絵を求められていると感じますが、
建築ビジュアライゼーションでは何かメッセージ性をもっているような、受け取り手に表現の解釈を自由に与えているような、そんな感覚になりました。
普段私が描いている建築パースでは、絵を見ただけで情報が伝わるよう、要素を入れ込むことが多いですが、Trond氏は「全てを見せない。一部だけを見せて、関心を持たせる」とおっしゃっていました。
見ている人にもっともっとと思わせるために、あえて見せない部分を作る、見せすぎない…
普段当たり前のように思っていた自分の考えを、改めて立ち止まって考えなおしたいと思いました。
また「自分のハートでものを見る」というTrond氏の言葉。
なぜ自分はそれが好きで、いいと思ったのか、ふと目に留まったのか。
または嫌で、苦手で、もやもやするのか。
そういった感性というか、自分が感じたこと、自分の中に気に留まったこと、
そんな、言葉でうまく説明できないようものを見逃さずキャッチして
言葉で説明できるように深く落とし込んでいきたい。
そうすることで、今よりも解像度が高く、周りや自分を見れると思いました。
今回の講演を聞き、これは当たり前のように流してきた自分の考えを立ち止まって考えるとても素敵な機会だと思いました。
表現の違いなどについても、制作しながら、そして楽しみながら今後も考えていきたいと思います。
お読みいただきありがとうございます、また次回もお楽しみに!✨
Comments